
春うらら。穏やかな気候に反し世の中はコロナで慌ただしい毎日。GWがなくなったはいどさんは今日も元気です。
セレマを喪い、苦しいほどの胸の痛みを感じながらも涙ひとつ流れない。本当に自分は壊れてしまったのだろうか。自嘲的になりながらもみらいを取り戻すためシレンへ。
❑幡田 零
「……もうすぐ、会えるね。」
「……みらい。」
❑不動寺 小衣
「零ちゃん、ちょっと待ち。」
❑恵羽 千
「ここから先、別行動を取る必要性はないだろ?」
❑777
「そうだよネ!みんな一緒のほうがいいヨ。」
❑幡田 零
「どうして?」
❑不動寺 小衣
「ウチら、仲間……というか、友達ちゃうんか?」
❑幡田 零
「小衣さんは、アナムネシスに復讐することが目的のはずです。」
「千さんは、自分が正義だと思う行動を取っているだけです。」
「777は……本人すらついてくる理由がわからない。」
「みんな、目的も理由もバラバラです。」
「私は、いつもひとりでした。」
「父も母も、すでに亡くなっています。」
「仲のよかった友達も、一年前のバス事故で亡くなりました。」

えっ。この子、散々無視したのにすべて悲劇だったことにしようとしてんの。えっ。
❑幡田 零
「私が零なんて名前なのも、きっと両親が、なにもない私の未来を見越してつけたんです。」
❑不動寺 小衣
「そんなわけないやろ。親が子につける名前って言うのはな、軽いもんちゃうんや。」

子を愛せずに喪った人の前で言うセリフでない。まぁ確かにキラキラネームは軽いが……。
❑幡田 零
「でも……私にはまだ、妹がいます。」
「妹のみらいのためなら、私はなんだって犠牲にできます。」
「私自身も……きっと、仲間や友達でさえも。」
「もう、来ないで。」
仲間を切り捨て、精神を鈍麻しきった空っぽの零からは理念は生まれない。
だが、まかり間違って真理念(アレセイア)が生まれてしまうよりはいい。
壊れてしまったおもちゃだが、所有者として最後まで見届けよう。

いつもの双子の悪魔。零を壊そうとはしていたけど空っぽは良くない?そして真理念とは……。
もう来ないでと吐き捨てたせいで天使777ちゃん、ベンチ小衣さん、剣士千ちゃんがパーティから外れます。その上、守護者を出せません。
雑魚は全て無視して行きましょう。このゲーム雑魚敵を殲滅する意味がレベル上げと幽鬼の断末魔の思念くらいです。
敵が強くないのでそんなに必死にあげる必要がないです……。
門の前には死んだはずのセレマが。
セレマの存在に困惑する零。さらに倒したはずの愚塔の門番も現れセレマを取り込んでいく。
❑セリオン
「我が求めるものは。」
「汝のすべてなり!」
❑幡田 零
「お願いだから、私を通して……。この先で、みらいが待ってるの!」

えっ。倒す前にまずセレマを助けようとか思わないの?えっ。
❑幡田 零
「お願い……出てきて、ヘラクレイトス……。」
「……。やっぱり、そうですよね……。」
「こんな私のために、出てきてくれるわけがないです……。」
「私が……なにもかも……。自分で全部、手放したのに……。」
「こんな時になって、やっと気づきました。」
「私は、ひとりぼっちになったんじゃないんですね。」
❑幡田 零
「……私が死んで魂になったら、みらいと同じところにいって、会えるかもしれないんですよね?」
「それでもいいかな……みらいは、きっと怒るだろうけど。」
❑幡田 零
「……どうしてここに。」
❑恵羽 千
「……そこの幽鬼が、あたしたちを呼び止めて、頼んだんだ。」
❑不動寺 小衣
「あんまり泣くから、ほとんどなに喋っているのか聞き取れへんかったけどな。」
❑不動寺 小衣
「……なんか、思ってたリアクションと違うな。」
❑幡田 零
「……顔向けできないだけです。恥ずかしくて……。」
❑不動寺 小衣
「だったら、しばらくは隅っこで見とくか?小衣姉さんの大活躍を。」

熱い展開なんだろうけどいつもベンチの人の大活躍って……(失礼)
❑幡田 零
「…………いえ、私も戦います。」
「セリオン」戦
零ちゃんたちの仲直りシーンを大人しく見ていたセリオンくん。偉いですね。主な攻撃方法はUnknownの攻撃と前方に発射される鎖攻撃と地面から突き上げる鎖攻撃です。
前者は見ていれば簡単に避けられますが、後者は湧く雑魚敵に注視していると被弾しやすいです。幸いこの攻撃が出る前に出る地面が赤く染まるのでダッシュして離れましょう。
セリオンから飛び出したひとつの魂。鎖で砕ける魂から零れる記憶との邂逅。
❑幡田 零の母親
「5歳のお誕生日おめでとう。」
「零。それに、セレマも。」
❑幼い幡田 零
「ありがとう、ママ!」
「……ねえ、ママ。どうして、セレマも同じ誕生日なの?」
❑母
「それは……あなたと同じ日に生まれた子犬を、パパと一緒に探したから。」
❑幡田 零
「同じ日じゃないほうがよかったな……。」
「だって、ケーキ2回食べられるもん。あ。今度来る妹の分も合わせたら、3回だ!」
❑母
「……そうね。」
❑幡田 零
「どうしたの?」
❑母
「……いつか、話そうと思っていたの。」
「零……あなたには、産まれてくるはずだった双子の妹がいたのよ。」
「……産まれる前に、ママのお腹の中で亡くなってしまったの。零ちゃんには、まだ難しくてよくわからないか。」
「あなたの妹の名前は、久遠(くおん)。」
❑幡田 零
「セレマ!」
「ありがとう……。セレマ……。」
「あなたがくれた思い出……絶対に忘れない。」
「……ヘラクレイトス。」
❑ヘラクレイトス
「我が主人よ。再び出会えたこと、心より嬉しく思う。」
❑幡田 零
「行きましょう!ヘラクレイトス!」
「セリオン」二戦目
はい。セレマとの別れ、記憶の邂逅という涙流れる展開を静かに待っていてくれたセリオンくんです。
二戦目とは言え、行動パターンは変わっていないので先ほど通りの動きで問題なく倒せるでしょう。
忘れてしまっていたセレマとの記憶を思い出し、生まれた理念。
仲間たちに今までの態度を謝罪する零。そしてまた以前のように手伝ってほしいと仲間たちに伺う。
みな、咎めることもなく零を許したのだった。
やさぐ零ちゃんと揶揄されたのはまぁ仲直りできた証左ということで。

ようやくギスギス展開が終わったみたいで本当によかった。
今回、疑問に思った点があるのですが新たに出てきた真理念ではなくなぜセレマの魂が門の前にいたか。
どこがスタート地点なのかは分からないのでなんとも言えないので考察できませんが零たちの最初のシレンが愚塔・愚門でなかったのである程度奥の場所なんだと思っています。
いきなり門の前、しかも自我が完全に確立した存在で顕現できていた時点で何らかの外からの干渉があったのかなと勝手に思っています。
双子の悪魔が壊れそうになった零を助けようとそんな優しいことするかなぁ……。
それとセレマの記憶にある、妹みらいが来るって言い方どこか違う意味合いがあるように聞こえます。もしかしたらみらいは養子なのかもしれません。
長くなりましたね。下手くそな考察はさておき次回からはいつもの甘々零ちゃんが返ってくるのでご安心ください(フラグ)。
著者:はいど・れんじあ
コメント
・執筆お疲れ様です!
・良かったですね、やさぐ零ちゃん……上げて落とす展開が待ってそうですが。
> えっ。この子、散々無視したのにすべて悲劇だったことにしようとしてんの。えっ。
幡田 零「私は独りぼっちの運命なのです(キリッ)」
・自分に酔ってる零はさておき、セレマの死因が不明ですけど、ご都合主義なのかそれとも……。
>まぁ確かにキラキラネームは軽いが……。
・いつかそのうち改名手続きの公務がメッチャ増えそう(苦笑)。
>ベンチ小衣さん
> いつもベンチの人の大活躍って……(失礼)
不動寺 小衣「しばくぞ」
・まぁベンチを温めるお尻は評価できますな。
>えっ。倒す前にまずセレマを助けようとか思わないの?えっ。
幡田 零「今までのパターンからすれば、倒せばセレマを解放できるはずですから(震え声)」
> 不動寺 小衣「どうしてここに!とか言わへんの?」
>幡田 零「……どうしてここに。」
・素直で草。
>「セリオン」
・セレマは、「大いなる神獣」でしたか……。
>零ちゃんたちの仲直りシーンを大人しく見ていたセリオンくん。偉いですね。
セリオン「もっと褒めて」尻尾ブンブン
>はい。セレマとの別れ、記憶の邂逅という涙流れる展開を静かに待っていてくれたセリオンくんです。
・偉いですね。
>そしてまた以前のように手伝ってほしいと仲間たちに「伺」う。
・なんと気持ちのいい連中だろう……。
>真理念
・よくわかりませんが、メフィスとフィレスをギャフンと言わせられるカードなのは間違いないですな。
>双子の悪魔が壊れそうになった零を助けようとそんな優しいことするかなぁ……。
・じゃあ久遠とやらが……?
>もしかしたらみらいは養子なのかもしれません。
・確かに、血が繋がってない設定ありそうですな。
>次回からはいつもの甘々零ちゃんが「帰」ってくるのでご安心ください(フラグ)。
・どうあがいても絶望やないかい!?
・失礼しました!次回も期待です!
・悪魔だけでなく主人公も双子……双子が意味を持ちそうですね。
>にわか三級様
コメントありがとうございます。
ご都合主義の線が一番濃く見えますがもしかしたら双子の悪魔の暗躍の可能性もありますね。心を壊れるのを待っていた節がありましたけどはたして……。
昨今はキラキラネームが少ないので悪目立ちしますけど時代に合わせて名前も変化していくんでしょうかね。私は自分の日本人らしい名前好きですが自分の名前が嫌いになるような特殊な命名されたらキラキラネームでなくても不憫だと感じます。
理念や真理念が何を齎すのかまったく分かりませんがあの悪辣な悪魔の要求のモノなのでヨミガエリできるかすら怪しいところですが。もしかしたら理念が真理念に変容する前に回収しているのかもしれません。あ、でもそれなら代行者の狩りをさせる必要がないかな?どうでしょう。
血の繋がりの有無による劣等感、疎外感など暗い話に進みそうでたのし……ゲフンゲフン。恐れております。
更新お疲れ様です!
コロナで休業じゃなくて、逆にGW無くなったとは・・・・・・
ご冥福をお祈りします。
零ちゃん生意気可愛くて好き。
可愛いから許されるけど、可愛くなかったら許されないw
しかし最初セレマの事全く気にしないのはちょっと・・・・・・
総合的に見て僕は777ちゃん!
>トモイナ様
コメントありがとうございます。
GWの混み合う道路を掻き分け出勤するときどうして私は仕事を……。と自問してしまいます。どうかお盆休みは長くとれると良いなと密かに思っております。
メスガキ系の造詣が深いトモイナ様にお聞きしたいのですが、ああいう手合いのものは屈服させるのがいいんでしょうかね?それともそのままされるがままなんでしょうかね?
なななちゃん可愛いですよね。敵キャラだったのに率先して仲直りできるよう動くのは王道ですがいいものです。これでジオンはあと10年は戦える。
更新乙であります。ハルウララ。連戦連敗で人気を博した、高知競馬の競走馬。
1996年生まれだから、そろそろ平均寿命のはずですが……まだ御存命の模様(笑)
競馬の本筋から言えば、弱い馬が不当に持て囃されるのは筋違いなのですが……
2003年ごろでしたか、まだ世情が暢気な時代だったんですよね〜。ʅ(◞‿◟)ʃ
零ちゃんの視野狭窄っぷりが凄いというか、そりゃないぜ、っていうか。
こーいうタイプは嫌われるので、あまり主人公には採用されにくい属性ですが。
それでいて急に改心しちゃう。みんな許す……なんて優しい世界なんだ!?(笑)
まあ、グダ子ちゃんも可愛いもんです。勿論自分が当事者でなければ、ですがね。
零と久遠。始まりであり終わり。アルファでありオメガ。ん、ヨハネ黙示録かよ。
・零→雨が降る、溢れる。数の余り。極めて微細な数。数字のゼロ。
・久遠→いつまでも続く永遠。長く久しいさま。遠い過去もしくは未来。
厳密に言えばこの両者は対義語では無い気もするんですが……まあいいか(苦笑)
(「久遠」の対義語はどっちかっつーと「刹那」だと思うんだよ。00ガンダム?)
本来は「零」は「無」の意味ですが、慣用的には「始まり」の意味もあるからね。
……「死せる久遠」が後で、話に関係してきそうな気もするけどね。←伏線警報
セレマ。セリオン。……こりゃアレだ、クロウリーだよ!うーん参ったなあ。
★セレマ
魔術師アレイスター・クロウリーが創設した宗教。「法の書」(1904年)を参照。
ぶっちゃけると「倫理なんかクソ喰らえ。絶対的な基準なんかねえ!」ってこと。
クロウリー「汝の意志することを行え、それが法のすべてとなろう」
某「禁書目録」あたりでは嫌というほど出てくる、実在クソ魔術師ですな!(笑)
★セリオン
・セレマの神格で、自然の力・野生。由来はギリシア語の獣、テーリオン。
・ゲマトリア(数秘術)的には、セリオン(大いなる獣)の数字は666である。
実際、ここで出てくるセリオンは巨獣の姿を採ってますね……フェンリル狼的な。
とりあえずセレマが、ただのワンコでないのは確実。実は久遠が……しらんけど。
やはり、まだまだデータが足りてない。考察班よ、頑張ってくだされ!(応援)
>くろねこ様
コメントありがとうございます。
ウマ娘が人気を博しているようで競馬の疎い私でも耳にする機会が多いです。なんでもハルウララは弱かったみたいですね。ウマ娘のハルウララも弱いが直向きに頑張るキャラになっているようで、判官贔屓ではないですけど当時のハルウララファンがゲーム内で勝てるよう奮闘していますね。
零ちゃんの暴走は本人の性格由来のものなのか、幽鬼の激情の慟哭を受け続けたせいなのか、はたまた双子の悪魔のせいなのかは分かりませんが見ている側は気持ちのいいものじゃないですよね。周りも好き勝手しているならともかく手を振りほどいて孤独なんて言っていたら目も当てられないです。
セリオンはUnknow二頭、セレマ一頭からなる地獄の門番ケルベロスなのかと思っておりました。音楽に弱いなんてことは全くなかったんですけどw